111:いきなり作り始めてはいけない

何かを作ろう! と意気込むとき、まずエディターを起動していませんか? それでは不要な機能を増やしたり、大きな手戻りが発生します。

具体的な失敗

何かWebアプリケーションを作ろうと考えたとき、すぐに使う技術や細かい仕様に注目しがちです。

  • 作りたいWebアプリケーションではソーシャルログインでTwitter、GitHub、Google、Amazonに対応させようと考えた。 実装に1ヶ月かかったけど、サービスのメインになる機能はまだ1つもできていない。 でも実際はリリース当初は限られた人しか使わないので、ソーシャルログインは不要だった。

  • 作りたいWebアプリケーションは、スマホアプリとWebサービス両対応をしたいと考えた。 でもWebアプリのメインターゲットは日中の会社員なので、最初はWebだけで十分だった。

  • 商品のレコメンドやオススメを、協調フィルタリングやディープラーニングで実現しようとした。 でも最初のリリース時には商品の数や種類が少ないので、サイト運営者が選んだ「月間のオススメ商品」を表示すれば十分だった。

  • 同じ商品でも色、サイズ違いが選べる機能を作ろうとした。 でも最初に扱う商品には色、サイズ違いがある商品はほとんどなかった。 まずは色、サイズ違いがあっても数種類なので別の商品として扱えば十分だった。

サービスの構想やビジョン、生み出したい価値を練る前に、このような細かい仕様や技術にこだわりすぎていませんか? 勢いでプログラムを開始して、よくわからない実験場と化したことはありませんか? それらはすべて時間の無駄になってしまいます。

ベストプラクティス

エディターを開かないことが大切です 。なぜエディターを開いてはいけないのでしょうか? 頭の中には作りたいもののイメージがあることでしょう。 今すぐにでもプログラミングを始めるのが賢明なように思えます。ですがそうしてはいけません。「作りたいもののイメージは単なる幻想だから」です。

頭の中にあるイメージはとてもすばらしいものですが、多くの場合は曖昧で、触れられない、価値を検証できないものです。 それを一旦書き出して、情報を整理する方法を知る必要があります。

cover

(中略)詳細は書籍 自走プログラマー をご参照ください